米国で保険業界のデジタル化が進む:重要な3つのインサイト

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米国では、従来の代理店販売、ダイレクトメール、電話、オンラインのマーケティング戦略を融合させた保険市場が確立されています。現在、米国の消費者は、これまで以上にオンラインサービスを用いて、データを活用しています。この記事では、弊社の第9回の世界消費者調査(GCS)から得られた米国に特化した3つの主要なインサイトを紹介します。保険会社が、これらのインサイトを活用して、消費者の保険を選ぶ力を高めるために、どのようなサポートができるかを説明します。

米国人は保険のことをどれだけ知っているか?

今年度のGCSでは、保険に関するリテラシーテストを実施しました。その結果、米国の消費者の保険知識のレベルは、世界平均より若干高いことがわかりました(米国:10点満点中6.61点/世界平均:6.25点)。

しかし、この知識は世代間で均等ではありません。米国のサイレント世代の回答者の平均スコアが8.52点であるのに対し、Z世代の回答者のスコアはわずか4.99点だったのです。世代間の知識格差は、世界的にも今年の結果でもよく見受けられましたが、米国ではより顕著に見受けられました。

  • 6.61点 / 10 米国人は世界平均より保険に関する知識がある

また、米国の消費者は、複数のオンラインサービスを利用していることも注目すべき点です。米国の回答者は、オンラインサービスを利用する理由として、「保険の見積もりやおすすめの情報を受けるため」が最も多く(34.5%)、次いで「個人情報や書類のアップロード」(29.8%)、そして「保険料の支払い」(28.8%)となりました。このデータは世界的な傾向とほぼ同じであり、米国の消費者がデジタル化に向けた世界的な動きと非常に密接に関係していることを示しています。

興味深いことに、保険に関する知識が豊富であるにもかかわらず、米国の回答者の大多数は、金融サービスに関するさらなる教育を望んでいると答えています(54.2%)。さらに教育が必要と思われる主な商品は、米国の消費者が最も知識が乏しいと感じる年金と保険のようです。

  • 54.2 の米国人が保険に関する教育がさらに必要と感じている

  • 34.5% の米国人が保険の見積もりやお勧めの情報を手に入れるためにオンラインを利用する

米国人はメリットがあれば、喜んでデータを共有する

米国の回答者は、保険会社がリスクを評価するためにデータを保険会社と共有することに前向きであることが示されました。興味深いことに、80.5%の回答者が雇用に関する情報を共有することに抵抗がない、もしくは全く抵抗がないと回答しています。

続いて、過去の保険金請求データ(79.2%)と健康診断(76.7%)を共有することにも前向きで、いずれの場合も世界の平均的な回答者よりも抵抗を感じていないことがわかります。データと引き換えに保険料が安くなる可能性に、米国の回答者の4分の3が、関心を持っていることが明らかになりました。

保険金請求方法として、最も人気のある方法は、高齢層は電話ですが、ミレニアル世代とZ世代の回答者はオンラインです。米国の保険会社の中には、いまだに電話による請求手続きしか行っていない会社もあることから、保険会社が次世代の消費者を惹きつけるためには、デジタル化の必要性があることが明らかになりました。

  • 76.7% の米国人が保険会社に健康診断結果を共有することに抵抗がない、もしくは全く抵抗がない

  • 4分の3 の米国人が保険料の割引の代わりにデータを共有することに関心を持っている

米国人女性、健康アプリに注目

今年のGCSのデータによると、健康アプリの利用は増加する一方であり、世界の回答者の半数以上が健康アプリを利用しています(51%)。米国では、その人気はさらに10%近く上昇しています。

不思議なことに、一般的な健康アプリを利用する割合は、男性よりも女性の方がはるかに高いようで、米国人女性の68.9%が利用しているのに対し、米国人男性は45.5%にとどまっています。

ReMarkの調査では、米国ではベビーブーム世代とX世代がミレニアル世代やZ世代よりも一般的な健康アプリを使用していることがわかりました。これは、多くの高齢層がコロナ禍に健康を維持する方法としてアプリを利用したことを考慮すると説明できるかもしれません。

保険会社にとって、ここで警告したいのは、若い世代ほど健康やウェルネスのアプリを使う傾向が強いという思い込みに陥らないようにすることです。実際、米国ではすべての年齢層が(おそらくサイレント世代を除いて)、アプリを使いたいという意向を示しています。

  • 約60% の米国人が健康アプリを利用している

  • 健康アプリを利用している割合の男女差 米国人女性は68.9%が、米国人男性は45.5%

米国は22の保険市場の中に選ばれ、今回の調査対象市場となりました。1,018人の消費者から回答を得て、保険会社が今後どのように消費者に保険を選ぶ力を高めることができるかを調べました。さらにGCSについて詳しく知りたい方はこちらから。