消費者はデータ共有にどれほど前向きか?

Data Sharing min

「データプライバシーの日」に合わせて、保険会社が消費者のプライバシーを尊重しつつ、消費者の利益になるようにデータを活用する方法について考察していきます。興味深いことに、70.6%の消費者が、特定の病気にかかるリスクについてのインサイトを得るために、健康診断データを保険会社と共有することに前向きです。この記事では、データが保険契約者と保険会社の双方にもたらす知識を通じて、個人を動かす、役立つツールであることを考察しています。

  • 67.7% の回答者が保険会社とのデータの共有に抵抗がない

接続された世界ではさらにデータが増え、保険会社と顧客に商品やサービスをよりパーソナライズできる可能性が生まれます。消費者は運転データを共有することで自動車保険を安くでき、医療保険市場では、アクティビティデータを共有することで、よりアクティブな保険契約者にインセンティブを提供できます。

このメリットは顧客に限定されません。消費者の運転データは、自分の運転の仕方を理解し、事故のリスクを軽減させるための行動を取る上で役立ちます。保険会社にとっては、保険金請求数の減少と交通の安全性の向上にもつながります。同様に、健康的な生活に対するインセンティブを消費者に提供することは、保険会社への保険金請求を改善すると同時に、医療サービスへの負担も軽減します。

データが増えることで可能性は広がりますが、責任の増大にもつながります。データ中心の提案を構築する際に、保険会社は信頼を築き、プライバシーや個人情報の使用方法に関する消費者の懸念に慎重になる必要があります。

データ共有に抵抗はない

本年は、保険会社がリスク評価と保険金支払いのために通常使用する様々なカテゴリーの個人データを共有することにどの程度抵抗があるかについて、回答者に今質問しました。すべてのカテゴリーで、3分の2を超える(67.7%)回答者が自分のデータを共有することに「全く抵抗はない」または「抵抗はない」と回答しました(図表20)。

  • 3分の2 の回答者がテレマティクスやウェアラブル端末のデータを共有することに抵抗がない

これは、全カテゴリーでそれほど違いはなく、財務情報の共有に最も抵抗が高く、40.0%がいくらか抵抗があると回答しました。興味深いことに、約3分の2の回答者が、通常アンダーライティングに必要なデータ以外にテレマティクスとウェアラブル端末のデータを共有することに抵抗がないと回答しました。

すべてのカテゴリーで、自分のデータの共有に全く抵抗はないと答えた回答者の割合が最高であったのはZ世代でした。これは、この世代に、ソーシャルメディアからオンラインショッピングまで、デジタル利用(およびデータ共有)がかなり浸透していることが反映されていると考えられます。また、若い人は共有する保険金請求歴や病歴が少ないことも考えられます。

マーケット間での違いもあります。フランス、ドイツ、日本では、平均を上回り、あらゆるカテゴリーのデータを共有することに抵抗があることが顕著に示されています。その反対に、中国、マレーシア、メキシコでは個人情報の共有に最も抵抗がないことが示されています。

共有に対するインセンティブ

調査では、対象消費者の3分の2が個人情報の共有に抵抗がないことが示されています。より多くのデータが利用可能になるほど、保険会社と消費者はどちらもその価値をよく理解する必要が生じます。インセンティブを提供することは、消費者にさらに多くのデータを共有してもらうための鍵となる可能性があります(図表21)。

  • 70.6% の回答者が自身の疾病リスクを知るためなら、保険会社に健康診断の結果を共有してもいいと考えている

調査参加者に、テレマティクスやウェアラブル端末などからデータを共有することに対して特定のインセンティブが提供される場合、それらがどの程度魅力的であるかを聞きました。回答によると、最も効果的なインセンティブは保険料の割引でした。

健康に役立つデータ

生命・医療保険部門は、リスクを引き受けるために受け取る健康情報に関する有益なフィードバックを顧客に提供する上で有利な立場にあります。回答者に、がん、糖尿病、心疾患などの疾病リスクの詳細な情報を得るために、健康診断データを保険会社に開示してもよいかどうかを聞きました。開示してもよいと回答したのは70.6%でした(図表22)。

このインサイトが最も受け入れられているマーケットはメキシコ(91.8%)、インドネシア(89.0%)、インド(88.0%)です。最も受け入れられていないのはフランス(48.5%)、ドイツ(51.8%)、中国(53.9%)です。

開示してもよいと回答した人のうち、圧倒的な大多数(95.7%)が疾病リスクを軽減させるためのアドバイスに従うと答えています。このように大多数の人が保険会社から健康アドバイスを受けることに抵抗がないことから、高い信頼をすでに寄せていることが考えられます。さらに多くのデータが入手できれば、この信頼を基礎に、魅力的な商品の提案を開発できる可能性があります。

ダウンロードしてください