健康増進アプリ:消費者を動機付け・関連付けの最善方法

健康増進アプリとウェアラブル端末に対する消費者の関心が弱まる兆しは見えません。外出自粛期間中にジムやレジャー施設が利用できなかったことにより、健康増進テクノロジーの需要は急激に上昇しました。
世界経済フォーラム[1]の公開した報告書では、MoEngageからのデータを利用して、2020年の第1四半期と第2四半期の間にヘルス&ウェルネスアプリのダウンロードが世界で46.0%増加したことが報告されています。最高の増加率を示したのはインドの156.0%で、これは5,800万人の新規ユーザーに相当します。
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61.4% がヘルス&ウェルネス/フィットネスアプリがモチベーションになると確信

アプリへの関心
このヘルス&ウェルネスアプリの人気の上昇は、ReMarkの調査結果とも一致します。3分の1を超える(34.7%)回答者がヘルス、ウェルネス、フィットネスのいずれかのアプリを定期的に利用しています。さらに26.5%がこれらのアプリの入手に関心を持っています。予想通り、アプリの利用は年齢に大きく関係します。定期的に利用していると回答したのはZ世代とミレニアル世代で約44.0%であったのに対し、サイレント世代ではわずか12.0%でした。
回答者にはウェアラブル端末も人気です。定期的に利用しているのは30.1%、入手に関心があるのは26.8%です。ウェアラブル端末は関連するアプリにデータを送ることが多いため、アプリの利用とウェアラブル端末の所有には高い関連性があることが考えられます。
回答者がアプリまたはウェアラブル端末を利用する理由については、他の理由よりも健康増進が際立っています。事実、身体的な健康を促進するものを回答者に尋ねたところ、定期的な健康診断に次ぎ、ヘルス&ウェルネスアプリの利用が2位になっています。ただし、直近の健康診断が、普段の生活習慣を控えめにする強力なインセンティブであることはまず間違いありませんが、永続的な変化を生む効果については疑問です(図表36)。
アプリの効果の証拠?
ヘルス&フィットネスアプリを所有し、定期的に利用している人が、他の人より大幅にアクティブである証拠は明白です(図表37)。所有者がアプリを持っているために運動量が多いのか、それとも頻繁に運動する人がアプリをダウンロードすることにより関心を持っているかを確実に確かめることは困難ですが、ユーザーの関心を維持するのに効果があることはあらゆる兆候から明らかです。
はい | いいえ、ただし関心はある | いいえ、ただし以前は使用していた | いいえ、関心はない | |
週に3回以上 | 68.3% | 52.9% | 46% | 42.4% |
週に1~2回 | 21.9% | 25.3% | 22.5% | 21.2% |
滅多にない | 8.2% | 18.2% | 23.9% | 23% |
全くない | 1.6% | 3.6% | 7.6% | 13.4% |
図表37 ∸ 身体的にアクティブな回答者の内訳(ヘルス&ウェルネスアプリの所有と利用別)/ Q: ∸ 次のいずれかを定期的に使用されていますか?(週に2~3回など) X どのくらいの頻度で20分以上の運動をしていますか?
図表38は、回答者が利用するアプリのタイプを示しています。最も使用されているものは一般的なヘルスアプリ(52.3%)とフィットネスアプリ(51.0%)です。

特に主なターゲット年齢の消費者が、健康増進テクノロジーの価値を認めていることは、保険会社にとって朗報です。アプリまたはウェアラブル端末は顧客の健康増進のモチベーションとなり、心疾患、2型糖尿病、一部のがんなどの長期的な疾病リスクを軽減させる可能性があります。
消費者のアプリへの関心は、保険会社が顧客と関与するプラットフォームも提供します。純粋に手続きのみの関係から、テクノロジーを使用してライフスタイルの改善を支援するような、より深く関与した個人的な関係へと移行する機会があります。また、アプリを通じて共有される豊富な健康データは、新しくよりパーソナライズされた形の保険を開発する可能性も秘めています。
魅力的なアプリの構築
保険会社がこのような機会の潜在力を最大に活かすには、アプリの設計に顧客に魅力のある機能を組み込むことが必須です。ReMarkの調査では、顧客に最も重要なヘルス、ウェルネス、フィットネスアプリの機能に関するインサイトを探りました(図表39)。
モチベーションと進捗状況の監視機能が明らかに重要な要件です。ソーシャル(家族や友人などとの繋がり)やリーダーボード(利用者間のランキング)の機能はモチベーションには貢献しますが、優先順位は低いようでした。

3分の1の回答者が、料金を支払う価値がある機能にはプレミアムサブスクリプション料金を支払ってもよいと回答しています。この割合は、ヘルス&ウェルネスアプリをすでに定期的に使用しており、そのメリットを体験したことのある回答者では50.0%を超えます。
Reference
[1]フィットネスアプリのダウンロードは新型コロナウイルス感染症中に世界で46%成長 | 世界経済フォーラム(weforum.org)