アジア太平洋の成長市場は保険に何を求めているか。地域に特化したインサイトを紹介

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世界消費者調査(GCS)では、アジア太平洋の4つの成長市場、中国、インド、インドネシア、マレーシアが調査対象地域に含まれています。世界的な景気後退、金融詐欺の増加、世界各地での自然災害など、様々なニュースが飛び交う中、消費者がどのようにストレスに対処し、どのように自身を守っているのかを紹介します。

アジア太平洋の成長市場の消費者は、保険についての知識が十分あると認識している

アジア太平洋地域の成長市場の回答者は、保険や金融商品に関する知識が十分にあると考えているようです。住宅保険や自動車保険から銀行、投資まで幅広いテーマについて、世界平均よりも最大20%多く自らの知識に自信があると回答しています。

しかし、必ずしもそうとは言えない…

79.3%の消費者は保険に関する、さらなる教育が必要だと感じています。希望する学習方法はオンラインコースを受講する、誰かと1対1の通話、もしくはソーシャルメディアをフォローすることでした。この地域全体の保険リテラシースコアは4.95点で、世界平均の6. 25点と比べ、低い結果となっています。消費者の学習意欲の高さは、保険会社が消費者教育に取り組む原動力となり、両者にとって有益な結果をもたらす可能性が高いはずです。

  • 4.95/10 アジア太平洋地域、成長市場の保険リテラシースコア

インセンティブを得るためのデータ共有には前向き

78.2%の消費者が、がんや糖尿病、心臓発作などのある疾病にかかるリスクを知るためなら、健康診断の健康データを保険会社に共有することに前向きであると回答しました。 アジア太平洋地域の成長市場の大部分の回答者が、保険金請求をオンライン(49.3%)またはアプリ(33.6%)を介して行っていると回答し、世界平均より高い割合となりました。彼らがデジタルに精通しており、オンラインサービスに対して前向きな姿勢であることがわかります。

  • 78.2% の回答者が疾病リスクを知るために、健康診断データを開示することに前向きである

データ共有と合わせて、個人データ、デジタル資産、デジタルアイデンティティをカバーする保険への加入を検討する人が76%であるのに対し、世界平均では55%にとどまっていることがわかりました。また、回答者のほぼ半数が、デジタルサービスに対する信頼を築くためには、デジタルアイデンティティと資産の保護が不可欠であることに同意しています。このようにデータ保護の必要性を理解していることと、オンラインサービスの利用が盛んなことから、保険会社にとっては、消費者のデジタル体験を最適化しながら、ターゲットを絞った提案を行う絶好の機会となっています。

世界消費者調査(GCS)について詳しく

ストレスに対して、ほとんどの人は周りに助けを求めず、個人で向き合う人が多い。

心身の健康に関して、アジア太平洋地域の成長市場では、運動と瞑想がストレスを解消する方法として上位に挙げられていることがわかりました。これは、友人や家族に話すことがストレス解消法としてほとんどの市場で最初に挙げられている世界の他の地域とは若干異なります。これは、ストレスの多い時期には、他者と負荷を共有するのではなく、内省や自分自身への取り組みを促進する文化的な背景を反映しているのかもしれません。

  • 56.3% の回答者がモチベーション維持のために健康アプリを使用している

運動と瞑想に重点を置いていることは、この地域の回答者の56.3%が健康アプリを使用していることを裏付けるものであり、半数以上がそうする主な理由は、モチベーションの向上と個人の進捗を長期的に記録するためだと述べています。健康アプリを使用する主な目的は、より健康になること(75.5%)と身体をより理解すること(54.3%)であることがわかりました。このことから、保険会社は健康増進のためのサービスを強化する必要があり、特に運動の記録や進捗を確認できるアプリの利用を促進することができます。

保険代理店からのアドバイスへの信頼

この地域の成長市場での組込型保険の販売方法については再検討する必要がありそうです。世界的にこのような保険商品に加入しなかった理由として、高すぎるという回答がありましたが、二つ目の理由として、保険会社で直接加入したいとい回答が37%でした。これは、保険会社と消費者の関係が信頼できるアドバイスの媒体として評価されていることが示されています。

  • 37% が保険会社で直接保険に加入したいと回答

これは、保険会社で直接加入することを希望する人が世界で17%しかいないことと比べると、大きな違いです。保険会社が販売店と緊密に連携して消費者との関係を戦略的に構築し、同時にさまざまなチャネルや保険の種類を人々に伝えることができれば、組込型保険の可能性はさらに高まるでしょう。

今回のGCSでは、世界の22の市場のうち、アジア太平洋地域の成長市場として、中国、インド、インドネシア、マレーシアを取り上げています。この地域の消費者から、カスタマージャーニー、生命保険・医療保険、損害保険に関する最新の知見を収集することを目的として、3,047名の代表的なサンプル人数を集めました。アジア太平洋地域の成長市場に関するより詳しいインサイトは、当社のGCSページでレポートをダウンロード、もしくはオンラインダッシュボードから、全てのデータにアクセスください。

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