消費者は保険についてどれほどの知識があるか

Insurance Literacy min

21世紀、消費者は企業との関係からより多くを求めています。保険会社にとって、これは人々の金融リテラシーをいかに向上させるかを理解することを意味します。そのためには、まず人々が保険について何を知っているか評価する必要があります。ReMarkの2022年度の世界消費者調査では、保険に関する知識について12,000人以上に調査をしました。以下のことが明らかになりました。

  • 6.25点 / 10 2022年度の保険リテラシーの世界平均スコア

保険リテラシーをどのように測りますか?

保険消費者の理解をするための第一段階として、私たちの調査は回答者の保険に関する知識を把握するために作られました。それは、回答者が知っていると思うことと実際に理解していることの両方の視点から見ています。調査は他の金融商品についても質問しています。例えば、年金、預金、銀行についてです。こうすることで、幅広い金融市場の中の一つである保険商品への理解を探ります。

異なる商品についてどれぐらい知っているかという質問に対して、生命、医療保険については56.3%、火災保険と自動車保険については58.6%の回答者が理解している、またはよく理解していると回答しました(図表1)。これにより、保険商品に関する理解は、預金や銀行取引よりは低く、年金や投資よりは高いという結果になりました。

成長市場の回答者は、成熟市場の回答者より自分たちの知識に自信を持っているということがわかりました。生命・医療保険に関する知識についてはいい例です。成長市場の回答者のうち71.1%が、理解している、またはよく理解していると回答し、成熟市場では49.3%でした。この傾向は他の5つの金融商品の分野で見られます。この自信が実際の理解度と完全に一致しない可能性があるということを後ほど見ていきます。

保険に関する知識の差を認知

2年目となった保険リテラシーテストですが、今回は初めて損害保険商品についても回答者に知識を測る質問をしました。回答者は10点満点で採点され、保険リテラシースコアが算出されます。

世界平均のスコアは6.25点でした。昨年調査したように、市場によって違いがありました。

  • 7.26点 / 10 日本の消費者は最も高い点数を記録

  • 4.41点 / 10 インドの消費者は最も低い点数を記録

この結果は人々が思う理解度と、実際の理解度に違いがありました。成長市場の保険に関する理解に最も自信がある回答者たちが、実際の保険リテラシースコアで最も低い点数になった人たちでした。

また世代別でも大きな違いが見られ、年を重ねれば重ねるほど高いスコアでした。この結果からわかることは、保険に関する知識はそれに触れる機会によって得られるようです。

消費者の学習意欲を理解

保険知識に関する自己認識(あるいは誤解)がどうであれ、回答者の大多数(69.8%)が、保険に関するさらなる教育の必要性を認めています。また、最もさらなる教育が必要だと回答した地域は成長市場で、逆説的ではありますが、その地域の回答者は、自身がすでに十分な知識を持っていると認識していました。

この見解は昨年の調査でも明らかになり、市場問わず、さらなる教育の必要性を訴えがあったこと(2021年に72%の回答者が保険に関するさらなる教育が必要と回答)、そして成長市場と成熟市場の間で差があったこと(図表5)両方見られました。


反対に最も興味を示さなかったのは、フランス(40.0%)とドイツ(45.5%)でした。どちらの国でも、「理解している」「よく理解している」という自己認識は50%を少し上回る程度で、特に高くないのでこれは無関心の表れと解釈することができます。しかし、ドイツ人は7.13点と、比較的高得点を記録しています。もしかしたら、自身の保険に関する知識レベルをより現実的に評価しているのかもしれません。

保険の知識の差を埋める

保険会社にとってはこの消費者の学習意欲に向き合った取り組みを行うことは理想的というよりも、する必要があると言えるでしょう。保険商品に関する理解が深まれば、より確実で十分な情報を得た上での加入につながる。その結果、ニーズに合った保険が提供され、保険金請求時に予期せぬ事態に見舞われる風評リスクも軽減されるでしょう。

保険会社にとってはこの消費者の学習意欲に向き合った取り組みを行うことは理想的というよりも、する必要があると言えるでしょう。

2022‐23世界消費者調査

消費者が教育を求めていることは明らかです。ですが、どのように取り組めばよいでしょうか。ReMarkの調査では回答者の好みについて質問しました。成熟市場と成長市場で好みの差はありましたが、市場や世代問わず、人気だったのが、1対1の通話とオンラインコースでした。

想像できるように、世代ごとの大きな違いもありました。パンフレットや印刷物を好む人、そしてソーシャルメディアやブログなどを好む人。印刷物に関しては、サイレント世代に最も支持されましたが、Z世代は最も選ばないものになりました。

好みを理解することで、保険会社はどのような教材で提供していくか、ターゲットを絞ることができます。介護や株式公開などに関する情報はSNSやブログでは求められていないでしょうし。しかし、今回の結果で重要なことは、あらゆる層からの回答があることにより、様々な教育メディアを提供することの重要性がわかります。

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