GCSインサイト1   若者向け保険を読み解く

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  • 77% のZ世代とミレニアル世代は、保険について更なる教育が必要だと感じている。

今年もまた世界消費者調査 (GCS)の各インサイトを詳しく掘り下げていくことを楽しみにしています。今週は、現代の若者の保険リテラシーを読み解くことに焦点を当てています。

「真の知識とは、自分の無知さを知ることである。

孔子のこの言葉は、時代を超越しています。私たちは、彼のこの言葉を確かめてみました。

昨年と同様に、回答者に様々な金融商品に関する知識を自己評価してもらいました。

回答者の半数以上は、生命保険(58.9%)と住宅・自動車保険(57.3%)の両方について十分または非常によく知っていると回答しました。これらの数字を文脈に当てはめると、保険商品に対する理解度は預金などの貯蓄よりも低いものの、年金や投資といった、より専門的な分野よりは、かなり高いことが分かります。

実際2つの世代グループ(Z世代とミレニアル世代)の反応には、ほとんど違いがありません。驚くべきことに、ほとんど根拠はありませんが、おそらくZ世代はミレニアル世代よりも投資と貯蓄に関する知識に関してより肯定的な意見を持っています。

今年のGCSの調査には、保険の知識をテストするように設計されたクイズが含まれており、回答者には保険リテラシースコアが最大10点満点で割り当てられました。孔子が予測したように、人々が、自分が知っていると思っていることは、必ずしも一致するとは限りません。

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世界平均スコアは5.87です。これは、昨年の同じクイズの平均スコア6.25よりも若干低いです。しかし、昨年の調査は、高齢者を含む、幅広い年齢層を対象に実施されました。今年の数値を2022年の同世代グループと比較すると、5.52から上昇していることが分かります。
知識に対する自己認識と、テストが私たちに伝える現実との間には、かなり顕著な差異が存在します。これは2つの世代グループにも当てはまります。彼らはそれぞれ自分の知識についてほぼ同様の自己評価を持っていますが、平均スコアが6.1のミレニアル世代は、平均スコアが5.45のZ世代よりもかなり良い成績を収めました。

Average insurance literacy score by market Fig 2. Literacy score by market
Average insurance literacy score by market Fig 2. Literacy score by market

市場レベルで結果を見ると、大きな違いも明らかになります。

Fig 4. Self-declared good or very good knowledge of L&H and P&C by market
Fig 4. Self-declared good or very good knowledge of L&H and P&C by market

最も高いスコアを達成している市場と、最高レベルの知識を主張する市場との間に相関関係がほとんどないことは明らかです。日本はクイズのスコアでトップに立っている一方で、知識についての自己評価は非常に控えめです。

多くの人が自分の知識に対して誤った自信を持っているという事実にもかかわらず、回答者の圧倒的な 77% が、さらなる保険教育の必要性を認めています。 さらなる保険教育の必要性を認識している回答者に、知識欲をどのように満たすのが最善かを尋ねました。 デジタル世代の間でも、さまざまなトレーニング メディアに対する需要があり、特に個人的に対応することに対する需要が依然としてあることは明らかです。

Fig 6. Self-declared need for additional education about insurance
Fig 6. Self-declared need for additional education about insurance

それにも関わらず、回答者の40%以上が何らかのオン ラインコンテンツを好ましいと考えています。保険会社 にとって、このことは、保険の教育を家族や友人の思い 付きの意見に任せておく場合と比べて、伝え方をより 細かく管理する機会となります。危険なのは、若い消費 者がネットで目にするのは、すべて正しい情報に基づく コメントではないということです。保険会社は、自らの デジタルチャネルを通して届ける正しい情報が専門性 の低い内容の雑音に埋もれないよう、消費者にしっか り発信する必要があります。

主な調査結果

  1. Z 世代とミレニアル世代は、さまざまな保険商品についての知識に自信を持っています。 半数以上が主要な金融商品や保険商品についてよく理解していると主張しています。
  2. 保険リテラシーの平均スコアは 5.87/10 です。 日本、アイルランド、イギリスの回答者が最高点を獲得し、インド、インドネシア、マレーシアは最下位でした。
  3. 若い保険消費者は保険の知識について自信を持っていますが、保険リテラシーのスコアが年配の消費者に比べて低いため、若い消費者の知識を向上させるために取り組む必要があります。

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