愛情を分かち合うことを忘れずに。なぜソーシャルヘルスは大切なのか?

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友人や家族、職場の仲間と過ごす時間は誰にとっても楽しいものですが、このような交流は、私たちにさまざまなメリットをもたらす強力な効果もあります。 

社会的に前向きな関係は、健康的なライフスタイルのお手本となったり、私たちの健康を維持する効果をもたらします[47]。例えば、友人がスポーツジムへの入会や5kmレースへの参加を申し込んだら、その友人と一緒に過ごすために自分も申し込むなどです。

愛する家族であっても、職場のチームであっても、グループの一員であることは、メンタルヘルスにも良いことです。人とのつながりを感じられるだけでなく、自尊心を向上させ、生きがいを感じることができます。

また、このような助け合えるつながりを持つことは、人生におけるストレスから自分を守ることにもなります。お金の心配、家族の健康問題、会社での嫌なことなど、誰かに悩みを共有できることで大きな変化がもたらされることがあります。問題を共有すると問題が半減するとも言われます。

社会的交流の大切さは、2019年の新型コロナウイルス感染症の流行を機に着目され始めました。ロックダウンやソーシャルディスタンスなどの措置により、私たちはより多くの時間を人から離れて過ごし、多くの場合、一人で過ごすことを余儀なくされkeました。世界中で行われた研究によると、生活の一部である人々との交流から離れざるを得ない状況が成人のメンタルヘルスとウェルビーイングに影響を及ぼしたことがわかりました[48] 。そして、説明するまでもなく、今、より多くの時間を一緒に過ごすことで、損なったものの一部を取り戻すことができるかもしれません。




社会的帰属は、マズローの欲求階層において3番目に位置する欲求です。人間は、より基本的な生理的欲求(食料、水、衣類など)と安全の欲求(住居、雇用)を満たした後、人間関係を構築する、家族を形成する、集団に所属するなどの社会的欲求に目を向けます。マズローは、この欲求が満たされなければ、それより高いレベルの自尊心や自己実現に進めないと指摘したことから、それ以前の基本的欲求として社会的な絆に重視していることがわかります。

社会との関わりが希薄になることのリスク

人間は社会的な存在であり、常に人間関係やコミュニティを構築することで成長していくことを求めています。社会的な要素を取り去ったり、他者との人間関係がストレスになったりすると、私たちの健康とウェルビーイングのさまざまな分野に重大な影響を及ぼします。

ハーバード大学の成人発達研究は、1938年の研究開始以来、心身の健康、幸福、長寿には、良好な人間関係が欠かせない要素であることを一貫して示しています[49]。社会的なつながりは、遺伝子や社会経済的地位などの他の要因をしのぐ、一貫して際立つ強力な予測因子となっています。

活動的な社会生活がプラスとなる一方で、社会的交流が減少すると身体的な健康リスクが高まることが多くの研究で明らかになっています。

また、がん、糖尿病、アルツハイマー病、慢性呼吸器疾患など、他の慢性疾患のリスクも、支えてくれる友人や家族がいない人ほど高くなります。複数の研究では、強い人間関係がこれらの疾患のリスクを低下さ
せることが示されています。[50-52]

私たちの健康は他の分野にも影響を与えるため、社会的交流が少ない場合、死亡リスクが高まる可能性もあります。カリフォルニア州での約7,000人の成人を対象とした9年間にわたる研究では、社会的・地域的なつながりが少ない人ほど、研究期間中に死亡する可能性が高いことがわかりました。[53]

  • 男性で2.3、女性で 2.8 最も社交的な人々と比べ、最も孤立している人々の年齢調整相対リスク

健康に有害なのは、社会的交流の欠如だけではありません。デンマークの研究では、ストレスの多い人間関係も死亡率の増加と関連することが示されています。[54]

アクションポイント

以下は、社会的交流が健康的で充実した生活の一部になるようにするための主なアクションポイントです。

  1. 友人や家族と過ごす時間を作る: 誰もが忙しい生活を送っていますが、大切な人と過ごす時間を優先すべきです。こうした時間には多くの健康上のメリットがあります。ポジティブなエネルギーとメンタヘルスのメリットは、すべての行動に良い影響をもたらします。
  2. 一緒に行動する: 仕事のプロジェクトでも、フィットネスの挑戦でも、慈善団体の募金活動でも、チームで取り組むことで、より楽しく、よりクリエイティブなものにすることができます。他の人
    と一緒にいることで、アイデアや新しい考え方が生まれることがあります。
  3. ソーシャルメディアを活用する: 良い情報を友達と共有することは、つながりを持つための素晴らしい手段です。ソーシャルメディアを利用して、アドバイスやお勧めを求めたり、単に自分の近況を伝えことにより、他の人々との有意義な交流を始めることができます。
  4. リモートワーカーに連絡を取る: リモートワーカーは通常、忙しいオフィスで働く人のような社会的なつながりを持っていません。数分の時間を割いて近況を共有することで、双方にとって有意義な社会的交流を行うことができ、相手への気遣いを示すことができます。
  5. アプリを入手する: 健康管理アプリの多くは、歩数や睡眠、運動量などの指標を記録できるだけでなく、ソーシャル(友達)機能を備えています。友人から活動状況に対して称賛を受けたり、同僚と歩数チャレンジに取り組んだりすることで、社会的な欲求を満たすことができます。

参考文献

  • [47] Vila, J., 2021, Social Support and Longevity: Meta-Analysis Based Evidence and Psychobiological Mechanisms
  • [48] Pai N. et al, 2021, COVID-19 and loneliness: A rapid systematic review
  • [49] Mineo L, 2017, Good genes are nice, but joy is better (in The Harvard Gazette)
  • [50] Naito, R. et al, 2021, Impact of social isolation on mortality and morbidity in 20 high-income, middle-income and low-income countries in five continents
  • [51] Tan, J. et al, 2019, Social Integration, Social Support, and All-Cause, Cardiovascular Disease and Cause-Specific Mortality: A Prospective Cohort Study
  • [52] Løkken, B. I. et al, 2021, Association of engagement in cultural activities with cause-specific mortality determined through an eight-year follow-up: The HUNT Study, Norway
  • [53] Berkman, L. F. et al, 1979, Social networks, host resistance, and mortality: a nine-year follow-up study of Alameda County residents
  • [54] Lund, R. et al, 2014, Stressful social relations and mortality: a prospective cohort study
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