よく眠れていますか?運動は睡眠の質を改善できるか

Baby sleeping

睡眠は私たちが何気なくとっている行動です。しかし、実際によく眠れているのでしょうか?世界経済フォーラムによると、世界の成人の62%が睡眠に満足しておらず[1]、このことは人々の健康に大きく影響します。リマークジャパンは健康活動の管理をすることで睡眠の質改善を図るフィールド実証を新潟県長岡市で行いました。3月17日の世界睡眠デーに合わせて、この実証実験を通じて学んだことをご紹介します。

日々の運動と睡眠の質の関連性

リマークジャパンは2022年11月中旬から2023年1月31日までの期間、長岡市の実証実験に採択されたフィールド実証「毎日の歩数による睡眠の質の改善」を実施しました。行動変容により、睡眠の質と睡眠時間の向上につながるのか検証します。参加者には、リマークのヘルス&ウェルネスソリューションであるGood Lifeアプリを使って、日々の歩数を記録してもらい、睡眠の質に関しては、今回協働いただいたNTTパラヴィータ社のベッドシート型センサーで測定しました。

リマークは今回の革新的なプログラムの分析結果を4月に発表する予定です。

今回の実証実験により、身体活動が睡眠の質や睡眠時間の向上に役立つと証明され、将来的な未病や疾病予防につながることを期待しています。

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なぜ睡眠は健康のために重要なのか

世界保健機関(WHO)は人の健康を「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます」[2]と定義しています。近日中に発表するホワイトペーパーで、リマークは総合的な健康を5つに分類しています。身体運動、栄養のある食事、十分な睡眠、心の健康、そしてソーシャルヘルス(人とのつながり)。睡眠を例にとると睡眠障害がある場合、生活習慣病の発症リスクが高まると言われ、心身の健康に影響を及ぼす可能性があります。睡眠の質の向上は総合的な健康に重要な役割を果たしているのです。

日本人は睡眠時間が一番少ない?

しかし、日常生活の中でしっかり睡眠を取ろう、睡眠時間を増やそうとしてもなかなか難しいのではないでしょうか。2021年に発表された「時間の使い方」を調査した38ヶ国の先進国が加盟する国際機関OECD(経済協力開発機構)の結果[3]によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、これはOECD加盟国中最下位の結果でした。調査に参加した30カ国の平均睡眠時間は8時間24分であり、加盟国平均と比べると日本は1時間も短いということが明らかになりました。

日本は平均寿命が長い国だが、健康意識は低い?

リマークが毎年実施している世界消費者調査では、今回、日本の消費者の健康に対する意識の低さが明らかになりました。平均寿命世界ランキング[4]では、男女ともに上位3位に入っていますが、日本人の回答者のうち3割のみが、生活の中での健康が重要な役割を果たしていると回答しました。意識の問題は前述の睡眠時間が少ないということにも通じるものがあるかもしれません。日本では生活の中で「当たり前」なことが多く、他の地域の国々と比較して、改めて健康リスクに対する認識を問われると他の地域と比較すると低いという可能性があるのかもしれません。さらに医療インフラが充実していて、健康保険などの公的な保障が十分に備わっています。しかし、現在日本の生活習慣や食生活が大きく変化したことにより、生活習慣病の罹患率が上がっていることから見れば、健康リスクを認知することは避けられません。

世界消費者調査(GCS)について詳しくはこちら

2021年より、リマークジャパンは健康課題に取り組む様々な事業を推進してきました。例えば長岡では、弊社健康アプリGood Lifeを使った「高齢者の健康増進と見守り」という実証事業を行いました。

将来的には、現役世代においても大きな課題となっている睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害について取り組みたいと考えています。これらの取り組みを通じて、弊社のソリューションやサービスの開発、そして人々のヘルス&ウェルネスを向上を目指します。

出典

[1] https://www.weforum.org/agenda/2019/08/we-need-more-sleep/

[2] https://www.who.int/about/governance/constitution

[3] https://stats.oecd.org/Index.aspx?DataSetCode=HSL

[4] Life expectancy at birth, total (years) | Data (worldbank.org)