アジア太平洋の成熟市場の保険消費者は何を求めているか。地域に特化したインサイトを紹介

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世界消費者調査(GCS)では、アジア太平洋地域の成熟市場である、香港、日本、シンガポール、韓国、そして台湾の5つの市場が調査対象地域に含まれています。不透明な世界市場や将来へのリスクの激化が伝えられる中、この地域の消費者が生命や健康に対してどのように取り組み、どのように自分の身を守っているのかを見ていきます。

アジア太平洋の成熟市場は保険リテラシーが高く、さらに学びたい意欲がある

アジア太平洋地域の成熟市場の回答者は保険リテラシーのスコアが10点満点中6.65点で、世界平均の6.25点より高い結果となりました。比較的高得点であるにも関わらず、この市場の78%の人々が保険に関する教育をさらに受けたいと答えています。この傾向は保険リテラシースコアが、たったの4.95点だったアジア太平洋地域の成長市場でも見られ、アジア太平洋地域全般で保険教育に非常に前向きだということがわかります。

アジア太平洋地域の成熟市場では、1対1の通話が保険に関する知識を得る方法として好まれていましたが、その他の地域では、オンラインコースが好まれていました。一方で、保険金請求経路に関しては、保険代理店やアドバイザーを通して(38.5%)、続いて、オンラインで(31.6%)の方法が好まれており、世界平均のオンライン請求(34.8%)と続いて電話での請求(33.2%)と僅かながら違いがあるようです。

  • 6.65点/10 アジア太平洋地域の成熟市場の保険リテラシースコア

データ共有にやや抵抗あり

他の国々と比較して、データ共有への抵抗が強いことがわかりました。アジア太平洋地域の成熟市場の38.9%の人々が雇用情報を共有することに抵抗がある、非常に抵抗があることがわかり、財務情報の共有に関しては、47.8%の人々が抵抗がある、非常に抵抗があると回答しています。これに対して世界平均はそれぞれ、27.2%と39.6%でした。この結果から、保険会社は、消費者が安心してデータ共有できるよう、さらに信頼と安全性を構築する必要性があるという見方ができるかもしれません。

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ほとんどの人が「睡眠の改善」を求めている

生活習慣において、最も改善したいことを質問したところ、世界平均では「運動量を増やす」という回答が多い結果となりましたが、この地域では「睡眠の改善」が最優先事項として選ばれました。質の悪い睡眠習慣は、心身の健康に悪影響を及ぼす生活習慣に起因している可能性があり、例えば不安と向き合うことやバランスを調整することのような教育的な取り組みを進める機会になりえます。健康が生活の中で大きな役割を果たすと回答した人が61.4%いる世界平均に対して、アジア太平洋地域の成熟市場では、56.7%のみがそのように回答したので、この地域での健康的な生活の重要性を再認識してもらう必要があるかもしれません。

ストレスを感じたときは家族や友人に

この地域でのストレスレベルが、興味深いことに過去3年間一定しています。世界平均で見てみると、2021年に43%だった割合が、2022年に34%に下がっている傾向があるのに対して、この地域では、41.7%の人が常にまたは頻繁にストレスを感じていると回答しました。アジア太平洋地域の成熟市場でのストレスの最大要因は、仕事の問題(24.6%)で、その次に不確かな将来(21%)でした。ここでも他の地域との違いがあり、世界平均での最大要因は経済的な問題(24.2%)と次いで、健康問題(20%)でした。

  • 41.7% のアジア太平洋地域の成熟市場の人が、常にまたは頻繁にストレスを感じていると回答

様々な保険の種類を認識しているものの、新しいテクノロジーを使うことには躊躇

世界の他の地域と比較すると、この地域でのデジタルサービスに対する信頼を作るために、デジタルアイデンティティ、デジタル資産、個人データの保護がいかに不可欠であるかについては、あまり同意が得られていません(29.4%対世界40%)。しかし、アジア太平洋地域の成熟市場のほぼ半数(49%)が、個人データやデジタル・アイデンティティをカバーするためにサイバー保険の加入を検討することは注目に値します。特に日常のビジネスや取引の大半がオンラインで行われる現代において、保険会社は、より多くの人に加入してもらうために、デジタルおよびサイバーソリューションの探求に新たな視点を見出す機会があります。

  • 49% の人が自身の個人情報やデジタルアイデンティティを保護するために、サイバー保険への加入を検討

運転に関して謙虚な人が多いが、テレマティクスには抵抗あり

アジア太平洋地域の成熟市場の消費者は謙虚のようです。自身の運転行動を評価する質問に対して、運転技術に5つ星評価をしたのは27.96%のみで、一方の世界平均では、その割合は44.12%でした。この地域の人たちは、メリットの代わりにテレマティクスと呼ばれる分析機器を導入することに関心が低く、自動車の使用量による変動制の保険料に興味があると回答した人は世界平均では38.2%だったのに対し、この地域では26.9%のみでした。安全運転やエコドライブなどの潜在的なメリットを示すことで、この地域での消費者のデータ共有やライフスタイル関連技術に対する見解を改善する余地があります。

最新のGCSでは、調査対象地域の全22地域中、アジア太平洋地域の成熟市場は香港、日本、シンガポール、韓国、台湾が参加しています。この地域からは2548人が回答し、カスタマージャーニー、生命、医療保険や損害保険に関する最新のインサイトを収集しました。さらに詳しくインサイトをご覧になりたい方は、ReMarkの世界消費者(GCS)ページをご覧ください。レポートのダウンロード、そしてデータを自由に操作して閲覧することができるダッシュボードにアクセスが可能です。

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