ウォーキング:保険会社にとって最大の未開拓の機会?
ReMarkのヘルス&ウェルネスアシスタントディレクターであるMichael Limは、毎日のウォーキングが保険契約者の死亡リスクを減らすという、科学的に裏付けられていることをどのようにして保険会社が活用できるかを述べています。
人間は動くようにできている
歩くという動きは最も基本的な移動形態であり、私たちの祖先が生き残るために「歩く」という手段を使っていた、人類の進化の初期にまでさかのぼることができます。歩くことは現在も必要不可欠な活動のはずですが、現代人はあまり歩いていません。
進化生物学者のDaniel Liebermanが、その著書「エクササイズ:進化しなかったものが健康でやりがいがある理由」[1]で概説しているように、平均的な狩猟採集民は毎日10~15Km(13,000~20,000歩)歩いていたとされています。それに比べて、最近のスタンフォード大学の研究では、現在の人々は1日平均4,960歩しか歩いていないことがわかっています。[2] これは狩猟採集を行っていた私たちの祖先よりもはるかに少なく、世界中の主要医療機関が推奨する1日あたりの歩数10,000歩を大幅に下回っています。
活動レベルの低さは、長期的な健康に悪影響を与えることが証明されています。そして、多くの専門家は、この傾向が21世紀最大の健康危機の1つになりつつあることを懸念しています。[3]これは、新型コロナウイルスにより、規制やソーシャルディスタンスのために、活動的でありつづけることが難しくなり、悪化した問題です。[4]
良い点を挙げるとすれば、パンデミックによって、身体活動の有益さが明らかになったことでしょう。Sallisと同僚による研究[5]で示されているように、活動的に体を動かした個人は、入院、重症化、死亡など、新型コロナウイルス感染症を原因とする深刻な状態に陥るリスクが低くなっています。パンデミックに限らず、身体活動は非感染性疾患のリスクを低下させると同時に、一般的な健康のための重要なファクターでもあります。
より長い人生への道を歩む
身体活動を効果的にするには、徹底的に行わなければならないと誤解されることがあります。最も基本的な運動形式であるウォーキングは、シンプルに、しかし定期的に行い続けることで、計り知れないメリットをもたらすことができます。複数の研究により、毎日の歩数を増やすことが、早死のリスク軽減につながるということがわかっています。[6]
最近、Amandaと同僚 [7]は、1999年から2018年の間に世界的に実施された15のコホート研究を分析しました。彼らの分析によると、1日あたりの歩数を増やすと、すべての原因による死亡リスクが比例して40~53%減少し、そのメリットは歩数や年齢層によって異なります。
- 60歳未満の個人の場合、1日あたり8,000歩で最も死亡リスクが減少します
- 60歳以上の高齢者は、1日あたり6,000~8,000歩が最適です
ウォーキングは負担の少ない活動ですので、身体的または医学的状態に関係なく、すべての年齢層に適しています。重要なのは、歩き出すことです。一般には、歩数が多いほどより健康的になりますが、1日に推奨される10,000歩よりも少ない歩数で死亡率への効果が観察されています。1日あたり1,000歩増やすだけで、死亡率を12%減少できます。これは毎日の歩数を増やす上で励みとなる報告です。
ウォーキング:未開拓の機会
ReMarkの世界消費者調査(GCS)[8]では、パンデミックを通して、保険会社が生活の中で積極的な役割を果たすことを、保険契約者がより望むようになっていることがわかっています。具体的には、保険契約者の健康とウェルネスに関する活動においての役割です。この高まる傾向に対応して、ReMarkは世界各地で保険会社と連携し、当社の健康増進アプリ「Good Life」を活用したヘルス&ウェルネスのプロジェクトを開始しました。
このアプリは、ユーザーが歩数などの健康データを記録し、、「Bio Age(生物学的年齢)」を下げることを奨励するエンゲージメントプラットフォームです。ユーザーの歩数が増え、顧客のロイヤルティーを向上させることが証明されています。Good Lifeのユーザーは、世界平均の1日あたりの歩数の2倍を記録しており、保持率は標準的な保険契約者よりも40%も高くなっています。
こちらでGood Lifeアプリの背後にある科学と、それが世界に与える影響について詳しく学んでみてください。
参考文献:
- Lieberman, D. E. Exercised: Why Something We Never Evolved to Do Is Healthy and Rewarding. (2021).
- Althoff, T. et al. Large-scale physical activity data reveal worldwide activity inequality. Nature 547, 336–339 (2017).
- Blair, S. N. Physical inactivity: the biggest public health problem of the 21st century. Br J Sports Med 43, 1 (2009).
- Tison, G. H. et al. Worldwide Effect of COVID-19 on Physical Activity: A Descriptive Study. Ann Intern Med 173, 767–770 (2020).
- Sallis, R. et al. Physical inactivity is associated with a higher risk for severe COVID-19 outcomes: a study in 48 440 adult patients. Br J Sports Med 55, 1099–1105 (2021).
- Jayedi, A., Gohari, A. & Shab-Bidar, S. Daily Step Count and All-Cause Mortality: A Dose–Response Meta-analysis of Prospective Cohort Studies. Sports Med (2021) doi:10.1007/s40279-021-01536-4.
- Paluch, A. E. et al. Daily steps and all-cause mortality: a meta-analysis of 15 international cohorts. The Lancet Public Health 7, e219–e228 (2022).
- ReMark (20201) ReConnect Life. London. Available at https://cdn.remarkgroup.com/gcs/GCS2021-22-Reconnect-Life_EN.pdf (accessed 30th March 2022).